マンション診断設計協同組合の設立目的

マンション計画修繕の現状(2006.5月現在)

 

  現在、マンションストック497万戸、全世帯の9.98%がマンション住まいの時代を迎えています。昨今の厳しい経済状態の中でも、昨年1年間で14万5千戸のマンションが供給されました。 スクラップ&ビルドのバブル期を経て、マンション建築も良好な社会資本としてストックする方向が打ち出されています。中高層のマンション建築が手がけられて以来、築20年を超えるマンションが、全体の34%を超える年数が経過しました。どのマンションでも築20年前後を目途に、共用部分の計画修繕工事(大規模改修工事)が実施されます。

 組合員で運営される管理組合は専門家も少なく、独自に計画修繕を実施するのは困難です。 公金である修繕積立金を使用するには、公共工事を行う場合に等しい透明性や公平性が要求されます。本来そのプロセスを導くのがマンション管理を専門とする管理会社の責任ですが、その体制が未だ整っていないのが現状かと思われます。
 その結果、業者選定のプロセス、調査診断の内容や工事の施工結果についての問題が数多く寄せられます。特に昨今は、工事請負において過当な廉価競争による受注やブローカー的業者の存在が問題になっています。
 指導的立場にあって、施工業者の工事を監理するコンサルタント側の体制も不十分であり、業務内容の特殊性から受託を希望されるコンサルタントが少ない状態です。その結果、正に「安かろう悪かろう」の修繕工事が横行しています。

 

コンサルタント業務の特殊性

① マンションの計画修繕工事は、一般工事と比較して以下の点においてその特殊性があります。

  マンションは、区分所有法による特殊な所有形態であり、使用形態、管理形態を含めて共用部

  分に関する専門的知識が必要です。

 

② 居住者は、区分所有者・賃借者があり、乳幼児・高齢者・病気療養中の方・平日が休日の方・

  夜勤の方等の複雑な構成であり、多面的な対応が必要です。

 

③ 管理組合は、多数のオーナーによって構成され、理事会には建築の専門家は少なく、順番で

  回ってくる理事を指導する必要があります。

 

④ 理事会や専門委員会及び居住者への説明会等は、通常、土・日曜日か夜間に開催され、通常時

  間外業務の対応となります。

 

⑤ 工事は、多くの居住者が日常生活を行う中で実施され、安全・防犯・防災・公害等に対して特

  段の配慮が必要となります。

解決に向けた対策

 このような状況の中で、是正しうるのは、第三者として公平な立場で指導出来る我々建設コンサルタント業を専業とする者の責任であります。素人集団である管理組合を、長期的展望に立った修繕計画に基づき、計画から完了までのプロセスを指導し、施工業者の選定と正当な工事監理を実施する必要があります。

 これらの諸課題に的確に対応するために、我々は、2003年来(社)広島県建築士事務所協会で連続8回の研修会を実施して来ました。更に、管理組合が安心して業務を依頼できるよう、個々の事業者でなく、いかなる業務にも対応しうる総合的な能力を持つ事業体の存在が必要であり、組合を設立して対応することが最良の方法との考えに至りました。そこで、広島県下で、広島市、呉市及び福山市の10名及び広島県内外の賛助会員20社で組合組織として設立致しました。